以前アップした『急増するグランピング施設、高まる競争と差別化の重要性』の記事でも解説しましたが、ここ数年でグランピング施設の数は1.5倍にも膨れ上がっています。
色々な要因が重なってグランピングが大きなブームとなったことは確かですが、それだけでなく、施設を開業する経営者側にも相応のメリットがあるからこそ、ここまで数を増やすに至ったのです。
では、経営者視点から、具体的にどのようなメリットがグランピング事業にあるのでしょうか?
コストの低さ
まず一つ目は、コストの安さです。
グランピングで使用するグランピングテントは、ホテルやコテージ等の他の宿泊施設より比較的低いコストで導入することができます。
さらに、グランピングテントは、設置場所の自由度が高いため、テーマパーク、ホテル、温泉地などの既存施設に併設することもできるので、既存施設を活用して開業すれば、さらなるコストカットが見込めるでしょう。
コストの低さは、何も施設を作る開業前に限った話ではありません。
開業後のオペレーションコストの低さもグランピング事業の強みの一つです。
従来の宿泊施設で大きく費用がかかってくる人件費です。
しかし、グランピング は、あくまで『キャンプ=自立したもの』という印象があるため、ある程度運営側から手離れしたサービスであっても受け入れられます。
例えば、食事を食材のみ用意するBBQ形式にすれば、お客様自身が調理することになるので、これだけでも人件費を大幅にカットすることができます。
また、グランピングの宿泊設備は、通常の宿泊部屋と比べて手入れもしやすく、3分の1以下の人員で運用できるとされています。
参入障壁の低さ
二つ目は参入障壁の低さにあります。
前項で記述したコストの低さも参入障壁を低くしている要因の一つです。
また、同じく前項にあったグランピング施設の『オペレーションの手離れの良さ』は、人件費を安くするだけでなく、求められるオペレーション難易度の低くするという側面もあります。
通常の宿泊施設に求められる専門技術や知識が少なく、未経験でも比較的簡単に運営できるのです。
事実、事業再構築補助金の後押しもあって、全く宿泊業と関連のなかった多くの企業や個人が新規事業としてグランピングを開業されました。
少し話が逸れますが、いくらオペレーションに関して求められるレベルが低くいといっても、接客対応に関しては別だと筆者は考えます。
むしろ、豪華さを売りとしているグランピングだからこそ、スタッフの対応には、人一倍気を配る必要があるでしょう。
接客業である以上、良い対応を心がけるのは当然のことですが、グランピングが高単価であるという意識を持ち、それに見合った接客を行う気概が必要です。
追加投資によるリスク軽減
三つめは追加投資によるリスク軽減ができるという点です。
従来の宿泊施設だと、一度建ててしまった設備を縮小拡大する場合、莫大なコストがかかってしまいます。そういった理由から、初期投資をどの程度行いどのくらいの規模の施設を作るのかは、とても悩ましいポイントです。
グランピング で使われるテントの多くは、設置と撤去が容易であるという特徴があります。
リスク軽減のために最初は小規模で運営し、軌道に乗ったところで、すぐに施設を拡大させるという通常の宿泊施設では不可能な経営手法を取ることができます。
初期費用はさることながら、運営後のリスクも最小限で済むのがグランピング事業なのです。
まとめ
グランピングは、新規事業としてたくさんの魅力的な要素を持っています。
他の宿泊業と比較した場合、開業コストもオペレーションコストも低く、追加投資という経営手法でリスクを軽減することもできます。
しかし、当然ながら無計画で初めて上手くいくほど甘い事業ではありません。
いくらグランピングが始めやすい事業だといっても、新規事業を始める以上少なくないお金がかかってきます。
グランピング施設がどんどんその数を増やしている今、しっかりとした営業指針と構想を持って開業しなければ、たちまち競合施設に淘汰されてしまいます。
グランピング経営・集客に関するご相談は、コチラからお問い合わせください。
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