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  • YASU1223

グランピング施設には、どんな人材が必要か?

更新日:2022年12月7日


 他の宿泊施設より比較的簡易的なオペレーションで運営できると言うのが、グランピング施設を運営する利点の一つです。施設の体制によっては、運営するだけならバイトだけでも回すことができる施設もあるでしょう。

 

 しかし、接客対応の部分に関して言えば、むしろグランピングは『豪華』なものというイメージが顧客にある以上、それなりのレベルが必要だと筆者は考えています。


 今回はタイトルにある通り、グランピング施設を運営していくには、どんな人材が必要か?ということについて考えていきたいと思います。


 

スタッフが働く『グランピング施設』という環境

 

 

 本題に入る前に、スタッフの働くグランピング施設という環境から見ていきましょう。

 働く環境を紐解くことで、どんな人材が必要になってくるのか掴むことができます。


 冒頭でもありましたが、グランピング施設は他施設に比べて、そこまで難しいオペレーションは必要ありませんが、その施設がどんな運営体制にするかによっても変化します。

 

 食事を運営者側で手配するか、食材のみ用意するBBQ形式にするかどうかで、スタッフにかかる負担は変わってきます。当然、後者の方が負担は軽くなるでしょう。

 どんな宿泊設備を導入するかによってこれも変化しますが、基本的にグランピングの宿泊設備は、通常の宿泊部屋と比べて手入れもしやすく、3分の1以下の人員で運用できると言われています。


 経営者側の選択次第ではありますが、ある程度運営側から手離れしたサービスであっても受け入れられるのは、『キャンプ=自立したもの』という印象があるグランピングだからこその特徴です。


 オペレーションコストという観点からだけみれば、手間のかからない選択をする方が良いでしょう。

 しかし、何が正解なのかは、その施設が主軸とするコンセプトによって変化するため、一概には言えません。


 グランピングの施設の中でも、特にリッチなサービスを提供することをコンセプトとした場合、コスト削減を最優先にしていては、主軸から逸脱してしまうことになります。

 ※グランピング施設のコンセプトに関しては、以前アップしておりますグランピングにおける最重要項目は、『コンセプト設計』です。の記事をご参照ください。 

 


 

必要とする人材の能力

 


 施設のコンセプトで働く環境が変化するということは、求める人材も同じように変化するのでは? と思われたのではないでしょうか。

 

 全く持ってそのとおりですが、とはいえ環境ほど大きく変化するものではありません。


 前項で見えてきたグランピングという環境は、基本的にオペレーションが簡易的で手間がかからないというものでした。


 つまり、採用する人材に求められるのは、専門知識や専門技術を持っているかどうかではなく、好感の持てる対応ができる人柄かどうかの方が重要ということになります。


 単価の高い施設にしようと、安い施設にしようと前提にあるのはグランピング。その定義が正確かどうかは一旦置いておいて、多くのお客様がパッと思いつくグランピングのイメージは『豪華なキャンプ』です。

 ※グランピングの定義に関しては、以前アップしておりますグランピングの定義、グランピング とはの記事をご覧ください。

 

 『豪華』という印象がある以上、単価が安くともそれなりの接客対応が求められ、単価が高い施設なら尚のこと手厚い接客対応が求められるということです。

 コンセプトがどうあれ、接客面においてだけの話で言えば、要求度が上がることはあっても下がることはないと考えます。


 ただし、スタッフのキャラクターに関しては、欲を言うと施設コンセプトに合わせて変化させる方がベストです。

 明るい南国をイメージした施設なら快活な人柄のスタッフの方が良いでしょうし、高級感の溢れるリゾートホテルのような落ち着いた方が雰囲気に合っています。


 

 

リーダー候補を採用

 


 グランピング施設に必要とされる人材が見えてきました。

 しかし、前項で述べた人物像は、あくまで施設で働く全スタッフの共通項になります。


 これらの共通項に加え、強いリーダーシップを持った正社員の存在が、運営スタッフの中に不可欠だと筆者は考えています。


 いくら良いスタッフを採用できても、彼らを一つの方向に向かって引っ張っていける存在がいなくては、意味がありません。

 

 経営はチームワーク、特にこと宿泊業に関してはこと顕著です。


 お客様情報がしっかり共有されているか、問題点の報告に漏れはないか、これらの細かいことがらは、突き詰めていくと根底に同じ原因があることが多く、リーダーがスタッフを同じ方向に導くだけでほとんどの問題が片付いたりします。

 もっとあけすけに言うと、『スタッフのやる気がない…』という原因に帰結する問題は、だいたいしっかりとしたリーダーの存在で解決できます。


 運営側のリーダーは、経営者の代弁者となれる人でなくてはいけません。

 必然的に、施設の理念と目標をほぼ完ぺきに近い形で共有できていなければなりません。

 

 そういったリーダーがいないと、経営者が毎回施設に赴いてスタッフに直接指示しなければならなくなります。

 指示だけで済むならまだマシですが、最悪なのは、『望まずして』経営者自身が施設のスタッフとして働かないといけない事態です。


 自ら望んで運営に関わりたい経営者様はそれで問題ありませんが、他にやりたい業務があるのに、施設の運営に手いっぱいで手が付けられない…という場合は、今すぐ自分の代弁者となれるリーダーを探してください。

 

 もちろん、リーダーとなり得る人を見つけたからといってそれで終わりではありません。

 リーダーに施設の理念や目標を伝え、しっかりと理解してもらうのは、経営者の仕事です。


 最初に手間をかけてリーダーを育てれば、後々経営者の手間は必ず減ります。

 未来への投資と考えて、しっかりリーダーと向き合いましょう。


 

まとめ

 

 グランピング施設では、淡々と素早く作業をこなす人より、例え、効率的に動けなくとも、お客様に好印象を与えるスタッフの方が求められています。

 オペレーション自体は他の宿泊業に比べれば簡単ですし、最初はできなくとも、しっかりとした教育体制があれば、後々改善されていくでしょう。


 良い人材に巡り合えるかどうかというのは、正直に言って運の要素も大きいところ。

 欲を言えば、施設のイメージに合ったキャラクターまで見て採用したいところではありますが、そこまでこだわるのは、なかなか難しいかもしれません。


 また、良い人材を採用できても、しっかりとした教育体制がなければ、活かしきれません。

 まずは、スタッフを導くリーダー候補を採用し、育てましょう。


 採用は始まりに過ぎず、施設で働きだしてからが採用した側もされた側も本番です。

 アフターケアを怠らず、良い人材をさらに良い人材へと成長させましょう。

 

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