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ドームテント導入で失敗しないためのチェックリスト10選【中編】

  • 草太 八木
  • 8月18日
  • 読了時間: 5分

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 前編では、ドームテント導入において確認しておきたい3つの基本チェック

(導入目的・ターゲット選定・周辺項目)についてご紹介しました。


 中編では、今回は実際にドームテント購入が決定した上で、確認する必要がある項目をご紹介します。


チェック④:設置に必要な土地の条件を把握しているか?

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 ドームテントを導入するうえで、「どんな土地でも設置できる」わけではないという点は、計画段階でしっかり認識しておく必要があります。

 土地の条件によっては、コストが跳ね上がったり、建築確認申請が通らなかったりと、思わぬトラブルを招く可能性もあるためです。


● 地盤の強度と傾斜に注意


 まず、地盤の強度(支持力)が不十分な土地では、基礎が沈んでしまい、テントが傾く・破損するなどのトラブルが起こり得ます。

 そのため、事前に地盤調査を行い、必要に応じて地盤改良や基礎の補強を検討することが必要です。


● 法規制の確認:都市計画区域・用途地域・建築確認申請


 ドームテントの設置場所が「都市計画区域」に該当する場合、その地域ごとの用途地域の制限を受ける可能性があります。

 特に「宿泊施設」として使用する場合、許可される用途かどうかを市町村に確認しておくことが欠かせません。


 また、ドームテントのサイズや仕様によっては、建築確認申請の対象となるケースもあるため、事前に「建築物として見なされるかどうか」の確認が必要です。

※簡易構造物であっても、基礎の有無や設備の内容によって判断が分かれます。


● ライフラインの引き込み状況も重要


 水道・電気・排水といったインフラが整っているかどうかも、土地選定で見逃せないポイントです。

 既存のインフラが敷地に引き込まれていない場合、引き込。工事や浄化槽の設置などが必要となり、費用と時間が追加で発生します。


 山間部や海辺などのリゾートエリアでは、インフラ整備が整っていないことも多いため、“土地のロケーション”と“設備条件”のバランスをしっかり見極めましょう。


チェック⑤ :空調・電源・水回りの導線は?

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 ドームテントは、その見た目のインパクトや独特の構造から「自由なレイアウトができる」と思われがちですが、実際には“空調・電源・水回り”の導線設計が、滞在快適性と運用効率を大きく左右する重要な要素となります。


● 空調設備:「外気」との調和を取るために


 ドームテントは密閉構造である反面、一般的な木造や鉄骨建築に比べて断熱性能が限定的なケースもあります。

 そのため、エアコンやストーブなどの空調設備は必須です。逆に、空調さえ導入できれば、周辺環境にもよりますが、一般的な宿泊部屋以上の快適性を担保できる場合が多いでしょう。


● 電源:生活インフラとしての「要」


 電源は照明や空調のほか、冷蔵庫、携帯の充電、電気ポットなど、宿泊者の満足度に直結する要素です。

 「どのように引き込むか」「どこに配線を通すか」は設計段階から考えておくべきポイントです。


 電源ボックスや分電盤をどこに配置するかによって、安全性やメンテナンス性、見た目の美しさにも影響します。

 また、雨風からの防水対策や、屋外配線の保護も見落としがちな注意点です。



チェック⑥ : メンテナンスのしやすさは?

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 グランピング施設における運営コストや顧客満足度に密接に関わるのが、ドームテントのメンテナンス性です。

 見た目のインパクトや高級感も大切ですが、日々の清掃やメンテナンスにどれだけ時間と手間がかかるかは、施設の収益性やスタッフの負担に直結します。


 ここでは、メンテナンス性を考慮した導入設計の重要ポイントを解説します。



● 劣化や破損時の修繕は可能か?


 ドームテントは美しい外観とは裏腹に、パネルや膜材が破損した際の交換が複雑になる場合があります。

そのため、次のような点も事前に確認しましょう。


・パーツ交換が可能な製品であるか?(ユニット構造 or 一体構造)

・国内で部材供給・アフターフォローが可能か?

・窓や開口部の金具・ファスナーなどの消耗品が汎用品か?


 また、万が一のトラブル時に修繕のための工事が数週間かかってしまうような構造では、そのテントが「稼働ゼロ」になるリスクも見逃せません。


● スタッフ導線や設備点検のしやすさも考慮


 宿泊者目線の快適さだけでなく、運営スタッフがスムーズに点検・作業できるかも重要な要素です。


たとえば:


・室外機や給排水設備がテント外部から簡単にアクセスできる位置に設置されているか

・電源・照明・空調などの点検口が、作業性を考えた位置にあるか

・テント内のベッドや家具配置が、掃除機やモップの動線を遮っていないか


 など、メンテナンス導線と設計が連動しているかどうかで、日常的な作業効率が大きく変わってきます。


 

まとめ

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 ドームテントをグランピング施設に導入する際、単に見た目やサイズだけで選んでしまうと、運営開始後に「想定外の負担」や「構造的な制約」に悩まされる可能性があります。


 今回は、「設置場所の適正」「設備導線の整備」「メンテナンス性」といった実務的かつ長期運用に欠かせない視点に注目しました。


 チェック④では、土地の勾配・風向き・排水環境など「テントに適した地形条件」を確認する重要性を、


 チェック⑤では、電気・水・空調などの「ライフライン導線の確保」がいかに施設全体の使い勝手に関わるかを、


 チェック⑥では、日常的な掃除・点検・修繕対応のしやすさが「運営の持続性」を左右することを解説しました。


 つまり、導入前の設計段階で「現場でどう動くか」を徹底的にシミュレーションすることが、快適な施設づくりと、収益の安定化に直結します。


 導入前のチェックリストをひとつひとつ丁寧にクリアしていくことが、

 “映える”ドームテントを“稼働し続ける”設備へと昇華させるための最短ルートなのです。

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