ドームテントでグランピング場の魅力を最大化!【後編】
- 草太 八木
- 3 日前
- 読了時間: 6分

前編では、ドームテントの景観や演出、動線設計などについてお伝えしました。
後編となる本コラムでは、メンテナンスについてから始まり、SNS時代における発信力の高め方、他施設とどう差別化するかなどについてご紹介していきます。
今や全国各地に広がるグランピング施設。 その中で選ばれる存在になるためには、「どこにでもあるドームテント」から脱却し、“ここにしかない体験”をどう設計するかがカギとなります。
ドームテントの“見せ方”ひとつで、施設の価値は大きく変わります。
前回に引き続き、ドームテントのポテンシャルを最大限に引き出すための実践的なポイントをお届けします。
4.定期メンテナンスでドームテントのクオリティを維持

グランピング施設において、ドームテントはまさに「施設の顔」となる存在です。 その外観の印象は、訪れたゲストの第一印象を大きく左右します。 ドーム型の膜構造は曲面の美しさが魅力でありながら、その分、汚れや劣化が目立ちやすいという側面もあります。 風雨にさらされる屋外設置である以上、定期的なメンテナンスは不可避です。
膜素材は、UV(紫外線)や酸性雨、砂埃、積雪、気温差などに常に晒される過酷な環境に置かれており、時間の経過とともに黄変・汚れ・劣化が進行します。 特に透明の膜材は、美観を左右する要素であると同時に、劣化の進行が顕著に現れやすい箇所です。 外膜の劣化は定期的な清掃で、透明膜の劣化(白濁現象)は除湿器の導入などの湿気対策で、その進行を遅らせることはできます。 膜の清掃ですが、中性洗剤を使用したやわらかい布やスポンジによる拭き取ってください。 高圧洗浄機を使用すると膜の表面に細かい傷がつき、そこに汚れが入り込んで取れなくなってしまうのでお勧めできません。
適切な手入れを継続的に行っても、やはり経年劣化は避けられません。
ドームテントの魅力的な外観を保つには、定期的な膜の交換が必要です。 交換方法は主に2つ。 ひとつは、透明部分だけを張り替える「部分交換」。もうひとつは、外幕一式を新たなものに変更する「全面交換」です。 劣化状況や運営状況に合わせた最適な交換方法を選ぶ必要があります。
美観の維持は、利用者の満足度、ひいては口コミ評価や再訪率に直結する重要な要素です。 「この施設はいつ訪れても清潔で気持ちがいい」「設備がしっかりしていて安心できる」といった印象を持たせることで、競争が激化するグランピング市場において、差別化の大きな武器となるでしょう。
弊社では、ドームテントの清掃・膜交換について、専用チームによるプロフェッショナルなメンテナンスを承っておりますので、必要な際にはお気軽にご相談ください。
5. ドームテントでSNS拡散を狙う

近年の旅行者、とりわけグランピング施設の主要顧客である20代~40代の層は、旅の体験そのものだけでなく、「その体験をSNSでどう発信するか」を重視しています。 旅行先の選定において「インスタ映えするか」「投稿したときにどんな反応があるか」が、意思決定の大きな要素となっているのです。 ドームテントのように非日常的でフォトジェニックな構造物は、SNS拡散との親和性が非常に高く、情報設計次第で自走的なプロモーション装置となり得ます。
前編の項目でも触れましたが、夕暮れ時にドームテントをライトアップしたり、ドーム越しに見える星空や森の風景など、視覚的な印象に残る場所を“投稿前提”でデザインすることが重要です。 ただ美しいだけでなく、「これは誰かに見せたい」と思わせる“絵になる構図”を仕掛けとして作り込むことで、来場者は自発的にカメラを向けるようになります。
目の前のゲストが一番の広告塔となり得る時代において、ドームテントという特徴的な素材をいかに「SNS上で語られる存在」にするか。 その設計次第で、施設の集客力は大きく変わってくるのです。
6. 他施設のドームテントと差別化する

未だ人気の高いドームテントですが、グランピング施設が全国的に広がっていることも事実。グランピングといえば、ドームテントを連想する人も多いのではないでしょうか? SNSに目を向ければ、さまざまな場所で撮影されたドーム型テントの写真が並び、それぞれの違いが分かりにくくなっているのが現状です。
だからこそ、「自分たちの施設のドームは他と何が違うのか?」という問いへの答えを、明確に打ち出していく必要があります。
立地や価格だけでの勝負は消耗戦になりがちで、継続的な経営には向きません。 ドームテントを活用する施設ならではの“体験価値”や“世界観”の表現が、より重視されるようになっています。
その一つの有効な手段が、「ドームテントそのものを個性化すること」です。
たとえば、外装・内装にオリジナルのペイントや装飾を施すことで、「このドームはここにしかない」と一目で分かる印象を生み出すことができます。
シンプルなホワイトドームも、美術的にペイントされた途端、「撮りたくなる被写体」に変貌します。
動物や自然モチーフを大胆に描いたファミリー向けドーム、夜に光る蓄光ペイントを施した幻想的なナイトドームなど、創造次第で印象の差は無限に広がります。
外観をペイントせずとも個性を出す方法はあります。
内観のコンセプトをドームごとに変えるというのもその一つです。
一棟一棟に異なるテーマ(たとえば“月”“星”“太陽”“など)を設定し、それに合わせてドーム内の家具や照明に世界観を持たせることで、記憶に残る内装空間を演出できます。 「あのドームの中は他とは違った」という印象を来訪者に残すことが、リピート率の向上に繋がります。
重要なのは、「見た目を変える=差別化」ではないということ。
“この施設のコンセプトを体現するドームだ”という一貫性があるかどうかが、本当の意味での差別化です。
安易に派手さや奇抜さに頼るのではなく、ブランド全体のストーリーと整合する演出こそが、訪れる人の心を動かすのです。
近年では、宿泊者が“推したくなる”ドームを作ることが大きな集客力になります。
「このドームに泊まりたかったんだ」「この写真を撮りたかった」と思わせられるようなドームづくりが、SNSでの拡散、再訪、ファン化を促します。
まとめ ―ドームテントを有効活用するための第一歩

ドームテントは、グランピング施設の第一印象を決定づける“顔”であり、体験の質を高める“舞台”でもあります。
だからこそ、美観の維持・差別化・SNS対応といった各視点からの設計と運営が、施設の魅力を大きく左右します。
単に「ドームがある」というだけでは、もはや選ばれる理由にはなりません。
訪れるたびに清潔感があり、快適で、何より“ここだけの価値”がある場所。
そんなドーム空間をつくり上げることで、SNSでの拡散や口コミによる集客が自然と生まれ、再訪率や予約率の向上にもつながっていきます。
私たちネクストグランは、ドームテントの導入からメンテナンス、デザイン、販促支援まで一貫したサポートをご提供しています。
これからドームテントを導入する方も、すでに運営中の方も、ぜひ一緒に“選ばれる施設づくり”を目指していきましょう。
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