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火災と隣り合わせの危険!PSEマークのない電気サウナストーブが絶対NGな理由

  • 草太 八木
  • 9月2日
  • 読了時間: 10分

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 以前にも電気サウナストーブの安全性と「PSEマーク」の重要性について警鐘を鳴らす記事を公開いたしました。  

 その後も続く空前のサウナブームの裏側で、残念ながら海外製の安価で安全性が確認されていない製品が市場に流入し続けているという現実があります。

 そこには火災や感電といった、取り返しのつかない事故につながる重大なリスクが潜んでいます。


 だからこそ、今、私たちは改めてこの問題の根深さと危険性について、より詳細な情報と公的な根拠をもとに、再度PSEマークの重要性についてお伝えしなければならないと考えています。


 なぜPSEマークのない製品が危険なのか、事業者としてどのような法的責任を負うのか、そして安全なサウナ環境を構築するために何をすべきかを、徹底的に解説します。

PSEマークとは何か? – 安全を約束する国家基準の証


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 まず、すべての基本となる「PSEマーク」について、その本質を深く理解することから始めましょう。


1-1. 電気用品安全法 – PSEマークの法的根拠

 

 PSEマークは、「電気用品安全法(通称:電安法)」という日本の法律に基づいて運用されている安全認証制度です。  この法律の根本的な目的は、経済産業省のウェブサイトで明確に述べられている通り、「電気用品による危険及び障害の発生を防止する」ことにあります。


 戦後の経済成長とともに多種多様な電気製品が家庭や職場に普及しましたが、同時に粗悪な製品による火災や感電事故が社会問題となりました。  こうした背景から、国民の生命・身体及び財産を保護するため、国が電気用品の安全性確保について最低限の基準を定め、製造・輸入事業者にその遵守を義務付けたのがこの法律です。 つまり、PSEマークは、「この製品は、日本の法律が定める最低限の安全基準をクリアしています」という国からのお墨付きなのです。


1-2. 「ひし形」と「丸形」 – 2種類のPSEマークの違い


 PSEマークには、ひし形(特定電気用品)と丸形(特定電気用品以外の電気用品)の2種類が存在します。


ひし形PSEマーク(特定電気用品)


 特に高い安全性が求められる製品群に表示が義務付けられています。

 これらは、構造や使用方法から見て、特に危険または障害を発生するおそれが高いと国が判断したものです。

 事業者は、自主検査に加えて、国が登録した第三者検査機関による「適合性検査」に合格しなければ、このマークを表示できません。

 例:電熱器具(電気温水器、電気サウナ風呂)、電源コード、幼児用ベッドなど。


丸形PSEマーク(特定電気用品以外の電気用品)


 ひし形以外の一般の電気製品が対象です。

 第三者機関の検査義務はありませんが、事業者は国の定める技術基準に基づき製品を製造し、自主検査を行い、その安全性を確認する義務を負います。

 例:テレビ、冷蔵庫、LEDランプなど。


 電気サウナストーブは、一般的に「電気サウナ風呂」として扱われ、ひし形のPSEマーク、すなわち「特定電気用品」に分類されます。

 これは、高熱を発し、長時間の連続使用が想定されるため、特に厳格な安全基準が求められることを意味しています。


【引用元】

経済産業省: 電気用品安全法の概要


PSEマークなき製品に潜む「3つの致命的リスク」

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 では、PSEマークを取得していない、つまり国の安全基準を満たしているか不明な電気サウナストーブには、具体的にどのような危険が潜んでいるのでしょうか。

 ここでは、特に重大な3つのリスクについて詳説します。


リスク1:火災 – 予兆なくすべてを奪う炎


 最大の危険は、言うまでもなく火災です。  総務省消防庁の統計によれば、電気機器を原因とする火災は毎年数多く発生しています。PSEマークのない製品は、以下のような技術的な欠陥を抱えている可能性が高く、火災の直接的な原因となり得ます。


不適切な配線・部品


 コスト削減のため、規格を満たさない細い配線や品質の低い電子部品が使用されている場合があります。これにより、使用中に異常発熱を起こし、配線の被覆が溶けてショート、発火に至ります。


安全装置の欠如


 本来であれば、異常な温度上昇を検知して自動で電源を遮断する「温度ヒューズ」や「サーモスタット」といった安全装置が不可欠です。しかし、未認証品ではこれらの装置が搭載されていなかったり、粗悪ですぐに故障したりするケースがあります。


構造上の欠陥


 熱源と可燃物(筐体や内部の絶縁材など)との間の距離が不十分であったり、放熱設計に問題があったりすると、通常の使用でも内部に熱がこもり、発火点に達する危険性があります。


 サウナ室という高温・高湿度の閉鎖空間で火災が発生すれば、利用者の避難は極めて困難となり、一酸化炭素中毒などによる人命の損失に直結します。


リスク2:感電 – 見えない凶器


 サウナは水や汗と切り離せない環境です。  ロウリュで水をかけたり、利用者が汗をかいたりすることで、ストーブ周辺の湿度は常に高い状態にあります。このような環境下で、もし製品の絶縁性能に問題があれば、感電のリスクは飛躍的に高まります。


絶縁不良


 内部の電気回路と利用者が触れる可能性のある金属部分との間の絶縁が不十分な場合、電気が漏れ出し(漏電)、ストーブ本体や周辺の金属部分に触れた瞬間に人体に電流が流れます。


防水性能の欠如


 ロウリュなどでかけられた水が製品内部に浸入し、充電部に直接触れることでショートや漏電を引き起こします。


感電は、心臓の働きを停止させる(心室細動)など、直接的に生命を脅かす極めて危険な事故です。


リスク3:性能劣化と故障 – 「安物買いの銭失い」では済まない


 初期費用を抑えるために安価な未認証品を選んだとしても、長期的にはかえって高くつく可能性があります。


短寿命

 品質管理がずさんなため、部品の劣化が早く、すぐに故障する可能性が高いです。


修理不能

 そもそも正規の輸入品ではないため、メーカー保証は期待できず、修理部品の入手も困難です。故障のたびに本体ごと買い替えることになり、結果的にコストがかさみます。


性能不足

 「最大出力〇〇kW」と表示されていても、実際にはその性能が出ておらず、「部屋がなかなか温まらない」「ロウリュをしてもすぐに温度が下がる」といった問題が発生し、顧客満足度の低下に直結します。


 これらの問題は、単なる金銭的な損失に留まらず、営業機会の損失や施設の評判低下という、より深刻な経営ダメージにつながるのです。


事業者が見過ごせない法律違反と経営リスク

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 PSEマークのない製品を使用することは、単なる「危険な行為」ではありません。日本の法律を遵守していない「違法行為」であり、事業者に極めて重い経営リスクをもたらします。


3-1. 電気用品安全法が課す事業者の「4つの義務」


 電気用品の製造・輸入事業者は、電安法に基づき、以下の4つの義務を負っています。これらの義務を果たした証が、PSEマークなのです。


事業の届出

 事業を開始する際に、国(経済産業省)に届け出る義務。


技術基準への適合

 国の定める技術上の基準に製品を適合させる義務。


自主検査の実施

 製造・輸入した製品が技術基準に適合しているか、全数またはロットで検査し、検査記録を保管する義務。


表示の義務

 検査を経て安全が確認された製品に、PSEマークや事業者名などを表示する義務。


 PSEマークのない製品を販売している業者は、これらの義務をすべて怠っている可能性が極めて高いと言えます。


3-2. 違反した場合の罰則と社会的制裁


 前述の義務に違反し、PSEマークのない製品を販売・陳列した場合、法律は厳しい罰則を定めています。


刑事罰

 1億円以下の罰金


個人

 1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方


行政処分

 国は事業者に対し、販売停止命令や製品の回収命令(リコール)を出すことができます。この命令に従わない場合も罰則の対象となります。


 しかし、リスクはこれだけではありません。万が一、未認証品が原因で火災事故などを起こした場合、以下のような二次的なダメージが事業を襲います。


損害賠償責任

 被害者(利用者や従業員)から、民事上の損害賠償を求める訴訟を起こされる可能性があります。賠償額は数千万円から数億円に上ることもあります。


社会的信用の失墜

 「安全管理ができていない施設」というレッテルが貼られ、顧客は一斉に離れていきます。一度失った信用を回復するのは、容易ではありません。


保険が適用されない可能性

 火災保険などに加入していても、法令違反が原因の事故であるとして、保険金の支払いを拒否される可能性があります。


3-3. 製造物責任法(PL法)との関係


 さらに、**製造物責任法(PL法)**の観点も無視できません。  この法律は、製品の欠陥によって人の生命や身体、財産に損害が生じた場合、製造業者などが賠償責任を負うことを定めています。  PSEマークのない製品を輸入・販売した事業者は、実質的に製造業者と同じ責任を問われることになります。事故が起きた際、「海外のメーカーが悪い」という言い訳は通用しないのです。

安全なサウナ事業を継続するためのチェックリスト

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 では、事業者はどうすればこれらのリスクを回避し、お客様に安全な環境を提供できるのでしょうか。

 以下に、具体的なチェックリストを挙げます。


購入前の確認事項


PSEマークの確認: 製品本体や梱包、仕様書に、ひし形のPSEマークが明確に表示されているか必ず確認する。


届出事業者名の確認: マークの近くに、日本の法律に基づいて届け出を行った輸入事業者名(または製造事業者名)が記載されているか確認する。


販売元の信頼性

 極端に安価な製品や、ウェブサイトの日本語が不自然な業者、連絡先が不明確な業者からは購入しない。正規代理店や実績の豊富な専門業者を選ぶ。


設置時の注意点


 サウナストーブの設置には、専門的な電気工事が必須です。

 必ず資格を持った電気工事業者に依頼してください。不適切な工事は、製品が正規品であっても火災の原因となります。


取扱説明書の遵守

 メーカーが指定する設置方法(壁からの距離など)や使用方法を厳守する。


運用時のメンテナンス


定期的な点検


 専門業者による定期的なメンテナンスを実施し、配線の劣化や部品の異常がないかを確認する。


清掃と日常点検


 ストーブ周辺を清潔に保ち、可燃物を置かない。従業員による日常的な目視点検(異音、異臭、異常な発熱がないか)を徹底する。


まとめ:安全は最高の「おもてなし」である

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 サウナビジネスの成功は、魅力的な施設やサービスだけでなく、その土台にある「揺るぎない安全性」によって支えられています。  PSEマークは、その安全性を確保するための、法律に基づいた最低限のルールです。


 このルールを無視することは、お客様と従業員の生命を危険にさらし、自らの事業を崩壊させる行為にほかなりません。

 初期投資をわずかに節約するために、未来のすべてを失うリスクを冒すことは、決して賢明な経営判断とは言えないでしょう。


 安全は、目に見えないコストではなく、最高の価値を提供する「おもてなし」の根幹です。


NEXT GLAMPにできること


 私たちは、日本の電気用品安全法の厳格な基準をクリアし、ひし形のPSEマーク認証を取得した電気サウナストーブを販売しています。


 製品の販売はもちろんのこと、これまで培ってきた豊富な経験と専門知識を活かし、お客様の施設の規模やコンセプトに合わせた最適なサウナストーブの選定から、安全を最優先した設置計画、そして導入後のメンテナンスに至るまで、ワンストップでサポートする導入支援サービスをご提供しております。


「どのストーブを選べばいいかわからない」

「安全性について、もっと詳しく相談したい」

「法令を遵守した、信頼できる施設を作りたい」


 そのようなお考えをお持ちの事業者様は、どうかお気軽にご相談ください。

 安全で高品質なサウナの導入は、ぜひNEXT GLAMPにお任せください。

 お客様の事業の成功と、その先の最高のサウナ体験の実現を、私たちが責任を持ってサポートいたします。

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