グランピング施設を運営していくにあたり、お客様がグランピングのどこに魅力を感じ、何を求めているのか、知っておく必要があります。
今回は、いかにしてグランピングブームに火が付いたのか、その経緯と理由についてピックアップしていこうと思います。
そもそもグランピングがどういうものか、はっきり理解していないという方は、以前アップした『グランピングの定義、グランピング とは』を先にご覧ください。
『豪華で不自由のないアウトドア体験』という新コンテンツ
今でこそ多様化しているグランピングですが、元々は豪華で不自由のないキャンプというのが特徴のコンテンツでした。
「自分でテントを組み立てる手間」や「虫がたくさんいる」といった不自由さも、自然と触れ合うことを目的としたキャンプなどのアウトドア体験では、魅力の一つといえるでしょう。
しかし、これらの特徴がアウトドアコンテンツの敷居を高くし、敬遠されてきた理由であることも事実です。
そこに焦点を当て、不自由なく自然を楽しみたいといった層をターゲットにしたのが、グランピングでした。
多くの人が持つ潜在的欲求に上手にマッチしたことが、グランピングを流行させた理由の一つだと筆者は考えます。
インスタグラムとの相性の良さ
もう一つの理由して、同じく現在流行コンテンツであるSNS————インスタグラムとの相性の良さが挙げられます。
インスタグラムは、即座に目に止まるような『映える写真』(俗に言う「インスタ映え」)が高評価される傾向にあります。
『映え』の要素は様々ですが、
・おしゃれであること
・非日常であること
・カラフルであること
などがあげられます。
多くのグランピングは、それそのものが非日常を演出する山や海などのロケーションを有しています。
また、豪華であるというのは、おしゃれであることとほとんど同義。誰もかっこの悪い施設に高いお金は払いません。
以上の点からインスタグラムとは非常に好相性といえるでしょう。
同じく流行の渦中にあるインスタグラムとかけ合わさることで、グランピングはさらなる人気を獲得するに至った、というわけです。
グランピングとインスタグラムの相性の良さについて、下記の記事でさらに詳しく掘り下げています。
コロナ過による影響
コロナ過は、グランピングの流行をさらに後押しする形になりました。
海外はもちろん国内であっても遠方への旅行が避けられる中、開放感のあるグランピング施設は、感染リスクが低いとされ、むしろ稼働率が増加する傾向にありました。
競合となる高級ホテルや旅館が厳しい状況下で、宿泊施設にアウトドア体験を取り入れて進化したグランピングだけが、コロナの影響を逃れることができたのです。
その後も、コロナによる経済的損失を被った旅行業界を再活性化させるため実施された『GO TO トラベル』により、多くのグランピング施設の弱点でもあった宿泊費の高さという点も補われ、コロナ前以上にグランピング業界は活気づく結果となりました。
まとめ
グランピングが本来持ち得る魅力も素晴らしいですが、それだけではなく、色々な要因や情勢が重なって、グランピングはここまでの流行することになりました。
『急増するグランピング、高まる競争と差別化の重要性』の記事でも記述しておりますが、このブームに乗じて施設数が急激に増えています。
コロナも落ち着きつつある今、グランピングの競争は激しくなり、今までのように流行の波に頼っているだけでは、他施設に打ち勝つのは厳しくなってくるでしょう。
今こそ、施設のコンセプトを練り直し、今後、どんなターゲットに向けてどんな魅力を発信するのか、再考するべきなのではないでしょうか?
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