各地域の自治体によって、見解は異なりますが、グランピングで使用される一部のテントは、建築確認申請が必要になります。
しかし、建築物とみなされるテントであるにも関わらず、建築確認申請を行わずにテントを設置しているグランピング施設が多く見受けられるのが現状です。
そういった施設が増えたこともあり、グランピングテントに関する規制が厳しくなってきている傾向にあります。
法に則った正しく安全な運営を行うために、建築確認申請についての最低限の知識が必要です。
そこで、今回は、『テントの建築確認申請』に焦点を当てて解説していきたいと思います。
建築確認申請とは
「建築確認申請」は、建築前の設計図や計画を見て、建築基準法やその他各種条例などの法律に違反していないかを確認するために国が制定した制度であり、新しい建築物を建てるときに必要な申請です。
この制度によって、国は、建物が建築基準法やその他の各種条例を守っているかどうかを判断します。
建築確認申請の手続きとしては、「自治体」か「民間の指定確認検査機関」に申請書を提出し、確認してもらいます。
そして、建築確認申請を無事に終えた証として、検査済証が発行されるのです。
この検査済証を入手することで、始めて工事を行うことができます。
確認申請の申請先は、以下の 2 つの機関になります。
1. 指定確認検査機関
(建築確認や検査を行う機関として国土交通大臣や都道府県知事から指定された民間の機関)
2. 特定行政庁
(建築の確認申請、違反建築物に対する是正命令等の建築行政全般を司る行政機関)
現在は、民間の確認検査機関で確認申請を行うのが通例となっています。
その比率は年間に建設される物件数の 9 割以上にのぼるそうです。
確認申請は、建築士が建築主の委任を受け、申請の代理者となって手続きを行うことがほとんど。
建築主が直接、確認申請を行うことも可能ですが、建築士資格、確認申請の経験、建築基準法の知識が無ければ、検査機関の審査を通すことは困難でしょう。
テントは建築物か、非建築物か
テントが建築物に該当するのかどうかといった点ですが、キャンプ場で建てる日除け用テントや、設営が簡単な寝泊まり用のテント、コットン生地のテントは、建築物に該当しません。
一方で、「倉庫」として用いられる膜構造のテントは、建築物とみなされており、建築確認申請を行う必要があります。
テント倉庫は、屋根と柱(壁)があり地面に固定されているため、建築基準法上は通常の建築と同様の扱いです。
そのため、テント倉庫を設置しようとした場合、原則として建築確認申請が必要とされています。
そして、協議が必要となっているテントが、昨今、急増しているドームテントです。
これが、建築物か非建築物なのかといった話ですが、結論から申し上げますと、『各行政によって見解が異なる』というのが答えになります。
建築基準法の法第2条第1号から、屋根を簡単に取り外せるもの、解体・撤去することができるものは、建築物ではないと読み取ることができます。
このことから、以前は、ドームテントは建築物ではないという判定が下されることもあったようです。
しかしながら、現在は、「一時的な使用を目的とした」の記載が重視される傾向となっています。
ドームテントであっても、断続的かつ半永久的に設置しておけるように、しっかりと地面に固定したドームテントは、建築物の扱いになり、建築確認申請の対象となるという判定が多くなりました。
このように、ドームテントが建築物に該当するかどうかは、それぞれの自治体によって見解が異なります。
行政の確認を怠るのはNG
今現在存在するグランピングテントのほとんどが、海外製です。
海外製のドームテントは、コストが安いという大きな利点がありますが、台風や地震の多い日本の建築基準は非常に厳しく、海外製のドームテントではこれをクリアできません。
そのため、海外製のドームテントを使用する場合は、行政に非建築物としてそのドームテントを認めてもらう必要があります。
中には、行政の確認を取らず、無断で海外製のドームテントを使用している施設もあるようですが、これは絶対におすすめできません。
無断であることが判明した場合、営業停止処分を受ける可能性も十分考えられ、とても大きなリスクを負うことになるでしょう。
ネクストグランのドームテント
ネクストグランは、建築確認申請に対応した日本製ドームテントと海外製ドームテントの両方を取り扱っております。
前項にもありましたが、海外製ドームテントの場合、担当の行政に、ドームテントを非建築物として認めてもらわなくてはいけません。
そのため、弊社では、テントの販売のみならず、建築確認申請時に行う行政交渉の代行も承っております。
日本製ドームテントは、各地で導入した実績を持つ建築確認申請に対応した製品です。
日本各地の「基準風速」と「垂直積雪量」を構造計算を組み入れ作られた日本製ドームテントは、元に構造計算しており、これらの基準をクリアしています。
当然、国内の建築基準法・消防法にも適用しています。
詳細は、下記の各商品ページからそれぞれご確認ください。
まとめ
グランピングで使用されるドームテントは、行政側も判断が難しく明確な答えを持っていません。
日本製ドームテントで建築確認申請を通すのか、非建築物として海外製ドームテントを導入するのか、いずれにしても、行政との密な話し合いが必要になってくるでしょう。
ドームテントの導入をご検討の方、グランピング開業時の行政交渉にお困りの方は、お話だけでも結構ですので、まずはお気軽にお問い合わせくださいませ。
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